ちょっと待つにゃ!笛を守るのは自分にゃ!
いくら この町のモトドリだからって出番を独占するのは狡いにゃ!
と主張する子猫の言葉に とりあえず一堂呆気にとられたのでした。
...は?モトドリ?
元締だろ、モトジメ。
なんとまあ、
間抜けな こわっぱめ。
猫八、猫丸、怪盗ねこひげと順に呆れ返られた子猫は自分が今まで信じてきた事が覆された驚愕と誤った知識を他者に聞かれたという事態に恥じ入り冷や汗と体温上昇を同時に経験します。
にゃ、にゃにゃぁ...、そんにゃ、通りすがりの親切な猫さんに教えて貰ったにゃに...?
そりゃおまえ、からかわれたか そいつも間違って覚えてたんだろ...
ついつい少し子猫が可哀相に思えた猫八が呆れ半分、憐れみ半分で自分の思いつく推測を教えてあげました。
猫丸は短い ため息を つきつつ鼻先を背けて横目で子猫を見下ろしています。
美しいシルエットが猫丸の背筋のラインや口元 鼻先から頭 首へのラインを描き、木葉のような耳の形を際立たせています。
フンッ 何故
でしゃばりたがる
かは知らんが
語尾から[にゃ]が
取れないような
子猫はおとなしく
静かにしておらんか!
にゃにおう!
語頭も却下だ!
こわっぱめ!
そんにゃ...orz
本日 二度目の挫折を味わう子猫に代わって猫八が怪盗ねこひげに怒鳴ります。
ええいっ てめぇこそ しゃべるな!
おめーの語りは幅を取りすぎなんじゃっわれぇ!
ならば普通に話そう!
だが!幅のことなら貴様のようなメタボに言われたくはない!
これは脂肪じゃない!筋肉だ!!
猫八は そう主張します。しかし猫丸は疑わしげです。
さあ、それはどうだか...
猫屋の おかみに甘えてメシ食い過ぎなんじゃないのか?
んだごら゙、あのバカの加勢する気か!
いいや、騒々しい言い争いは ごめんだ。
ねめつける猫八から身を引いてツンと鼻先を そっぽに向ける猫丸は さらに怪盗ねこひげに言いました。
あんたも、欲しいのは笛なんだろ。
いつまで遊んでる気だ?さっさと済まそうぜ。