これは私が実際に体験した話です
私は今老人ですが、若い時のあの記憶だけは覚えています
私の家はけっこうな大家族でした
その時は私がすぐ近くの友人の家で遊んでいるところでした
「〇〇おるか?」父の声が外からしました
「ちょっとおばあちゃんの家までタバコを取りに行ってくれ」私は突然そう頼まれました
その数日前おばあちゃんは死んで今おばあちゃんの家には誰もいない状態でした
そのころ父は恐い存在でした
すぐに命令に従いタバコをとりに行きました
ガラガラ!ピシャ!
扉を開けて奥の部屋に行くと、なんと家族全員、さっきの父もその部屋に集まっていました
「シー」「静かに」
入るとすぐにそう言われて黙らされました
しばらくすると…
ガラガラ!ピシャ!…
ペタペタペタペタ…
扉を開けて廊下を歩く音でした
スー…
カサッ
…
スパッスパッ…
どうやら棚の中のタバコを吸っているようでした、しばらくすると…
ペタペタペタペタ…
ガラガラ!ピシャ!
………
ふ〜
家族全員潜めていた息を吐き出しました
「何やったんや?」弟に聞くと
「おばあちゃんが帰ってきたんやって」と言いました
なぜそれを家族が予知してタバコを吸う音を聞きに集まったのかは今はわかりません
だけどおばあちゃんが家から出ていったとき、初めて悲しくなりました