「ん〜…そのクセなおしてよぉ…」 由紀はクシャクシャになった髪をなおしながら言った。 「なおらない!てか何でお前絡まれてたんだ?」 修介はニヤニヤしながら聞いた。 「…わかんない。」 由紀は小さな声でつぶやいた。 「ふ〜ん…、そっか。まぁ、お前けっこう可愛いしな。気をつけろよ。」 修介が冗談ぽく言うと由紀は色白の頬を赤らめながら「そういう冗談やめてよ…」と小さくつぶやいた。 だが修介は頬を赤らめている由紀を見て本気で可愛いと思ってしまいつい由紀をじっと見つめていた。 「…何?」 修介は由紀の声でハッと我にかえった。 「ん?いや、何でもない…」 修介は慌てて答える。 「じゃあ私教室戻るね。午後の授業は寝ちゃだめだよ。」 修介は由紀のその言葉にすぐに「やだ。」と答えた。 「はぁ…心配してあげてるのにぃ…。あぁでも…さっきはありがと…。」 由紀はそういうと教室に戻っていった。 修介と由紀は幼なじみで小、中、高と学校もずっといっしょだった。どこか不良っぽく見える修介になれなれしく話しかけてくるのは由紀ぐらいだ。 あまり自分から人に話しかけようとしない修介も由紀とはよくしゃべる。由紀もあまり自分から他人に話しかけようとしない。おとなしい性格で人見知りがはげしい。 修介はそれからしばらくして教室に戻った。 午後の授業も修介はほとんど寝ていた。