二人は、歩道を淡々と歩い
ている。少女は、ガオに
聞きたい事があるような
顔をして、
「話してー事があんなら
さっさと言え!」
「えっ、うん。…
君って、なんで学暗組織をわざわざ転々と回って、
潰してるの?」
ガオは、固い表情をして、
… …
「俺の親父はサイテー
だった。母さんと俺を
毎日、毎日傷つけて…
そして、別の女と子供が
出来たと言って、母さんの大切にしていた『涙のかけら』を持ち去った。
… …
で、そのあと親父が事故で死んで、その女は自殺…
残ったのが、親父と女の、子…『田中 仁』って言う奴が、母さんの大切にしていた『涙のかけら』を
もっている事になる。
その『仁』って言う奴が
学暗組織にいるって言う
話を聞いて、俺は学暗を
転々と回って潰してるんだ。… …」
… …
「ごめんね。なんか嫌な
事聞いちゃて…」
「かまわねーよ。」
ガオはそれよりも、気になっている事が会った。
(こいつ、俺の母さんに
似てるんだよな…
それも、かなり… …)
少女は、じろじろ見てくる
ガオが気になって、
「な〜に?人の顔をじろじろ見て!…もしかして
私の事が好きになっちゃった!?」
「ちげーよ!」
「つれないな!」
(性格もなんとなく
似てるんだよな…)