ゾロ目の奇跡‥
山田は卓也と麻美に昨日のように振る舞うよう指示した。
「えっと、とりあえず今が吉田になってる方が机に向かって座ったら?」
「わかった。」
卓也になった麻美が座って、麻美になった卓也がその横に立った。
「よし。あとはゾロ目になるまで待って‥。」
今の時間が夜の9時すぎくらいだ。
時計を見た山田は
「時間が来るまで自然にしたらいい。まだ15分以上あるしな。」
山田は麻美になった卓也に質問をした。
「なぁ、吉田になった先生が学校でテスト受けてる最中に今日一日お前何をしてたんだ?」
「俺? 色々したよ。」
この質問には麻美も興味津々だった。
麻美になった卓也は笑いながら今日一日の事を細かく話した。
「やめて、もういい。」
卓也の話は麻美には辱しめだった。
話の内容はこうだった。
麻美になった卓也は朝から一人エッチをしていて、その後インターネットカフェでアダルトサイトのチャットで知り合った男に性的奉仕をしてお金を稼いでいたという。
「お前も‥やっぱりそうしちゃうか。」
卓也になった麻美は顔を真っ赤にして俯いて
「もう、恥ずかしいことばっかり‥」
そんな話をしてるうちに時間が迫っていた。
「おい、そろそろだ。」
3人は一斉に時計を見て‥
(21時21分21秒‥)
その時間がやってきた!
「せいのー!」
卓也と麻美は激しく絡み合うように床に倒れた。
「うわぁ!」
2人は暫く床に伏せたまま動かなかった。
心配になった山田が2人のそばに歩み寄った。
「お前ら大丈夫か?」
「う、うん。」
2人はゆっくりと起き上がった。
「イテテ、先生‥」
先に起き上がったのは卓也のようだ。
「元に戻ったかな?」
後から麻美が起き上がった。
「はぁ、痛いな‥。 どうなったの?」
「どうやら2人とも元に戻ったらしいな。やっぱり【ゾロ目の奇跡】は本当にあるんだ。」
(これはいいモノ見たぞ。俺も今度やってやろうっと。)
そう呟いてほくそ笑む山田に元に戻った卓也が冷めた顔で
「何をニヤついてんだ。気持ち悪いな。」
山田は笑ってごまかすと麻美に手を振り部屋を出て行った。
「じゃあな、先生。」