正台との試合はもつれ込んだ。
先鋒の新藤が優勢勝ち、河野が一本負け、悠が引き分け、そして賢之助は一本勝ち。
しかも、開始1分もたたないうちに。
そして2-1の状況で俺にまで回ってくる。
正直、ベスト8常連の高校相手に俺にまでまわらずに勝つことはないと思ってた。
しかも相手は去年の66キロ級の県覇者の佐藤だ。
修二は賢之助と交代で試合畳に向かった。
「リベンジ、決めたぞ。」
賢之助がすれ違い際に言った。
こんな危機的状況で「繋いだぞ。」じゃなくて「リベンジ、決めたぞ。」って。
お前らしいけどなんかそれじゃねぇだろ。
修二は表情には出さず心の中で笑う。
「俺もリベンジへの道、創るよ。」
試合畳に入る寸前に賢之助に向かって言った。
賢之助は笑って、ただ、それだけ。
賢之助とは高校1年からの仲だが、修二にとっては悠や賢之助、慶吾との付き合いはとても長く感じられる。
言うことはないよな、お前ら。
ただ勝ってこい。
ってことだろ。
やってやるよ!!
大将戦が始まる。