−三時間後
「終わった〜。」
そう言っていかにも肩がこったとばかりに腕を回す小夜。机には完答された問題が並んでいた。
「よし、じゃあそれぞれの能力について考えるか。」一段落して朝紀が呟いた。
「そうだな〜じゃあ小夜から考えていくか。」
こうして小夜の能力を考えることになった三人。
「小夜は多分火だろ。」
何か思いついたように義春が言った。
「なんでよ。説明して。理由によっては分かってるわね。」
「まさにそのすぐ怒る性格から、ってぎゃ〜!!痛い!折れる!腕が曲がってはいけない方向に〜!」
つい口走った一言をこれほど後悔することは義春の一生で恐らくこれだけだろう。
「全く、失礼しちゃう。なにがすぐ怒るから火よ。」
「では次は義春の能力について。」
このままだと義春の腕がやられると思った朝紀は急いで話題を転換した。同時に義春の腕も解放された。
「義春ね〜。小説とか詩とか書いてるからそこから風をイメージするわね。」
自分のことを馬鹿にされていたのに、やけに真面目に答える小夜。
「風か。確かに義春ならありそうだな。流されやすいし。」
「それ褒めてないよ朝紀。」