佐藤の動きが止まる。
今だ!!
修二はその瞬間すかさず背負い投げをかけにいった。ヨシッ!!かついだ。
投げる。
佐藤の手が体より先に畳に触れたのがわかった。
佐藤は手をつきながら体をひねった。
バァン!!
「有効!!」
審判の声。
嘘だろ。
今のがよけれんのかよ。
こいつ、マジで強ぇ。
試合時間残り1分をきっていた。
現在佐藤は有効を3つ。
修二はと言うと、さっきの背負い投げでの1つだけだった。
こんなところで負けてたまるか。
修二は審判の「始め」の声とともにすぐに佐藤と組んだ。
小内刈り(右組の場合右足で対角線上の相手の右足を内側から刈る技。右足で内側から左足を刈る技を大内刈りと言う。)を狙う。
佐藤の足は瞬時に反応して後ろに下がった。
反応が早い。
足をだしたらもうよける姿勢に入ってる。
クソッ!どうすりゃ…。
そうだ。
これで勝負だ。