西暦3000年。
いつかから進むのを止めて、3000年から先に時を文字で刻まなくなった時代。一般人は地球に住まなくなった。・・・・というより住めなくなった。
生存惑星増加計画
人類の総数が増えたため、違う惑星に無理矢理移住するという、極めて酷い計画である。
それで私達のような【一般市民】は、詳細も知らされず宇宙に放りだされたらしい・・・、逆らう暇もなかったそうだ。
『らしい』というのは、俺の知識がまだ足りないためで、まだその事実を理解できていないからだ。
【地球】ってなんだろう? な状態である。
事実、俺はいまいち【地球】という物が分からない。形や気温や人口、そうゆうのがちっとも。
知ろうとはしている、だけど、時間や体力から考えて【知る】事ができない。『仕方がない』とよく大人に言われる。
−−−いや、もしかしたら、大人にもよく分からないのかもしれない。だから教えられないし、伝えられない。それだけなのかも・・・・
生まれてから15年もたっている頭を、フルに使ってもちっとも分からない。
「知りたいなぁ〜。」
そう、俺はまだ何もしらない。知らないから知りたい。これはごく自然な流れである。
だけど、【地球】と俺の距離はあまりにも遠い、この事実という現実が俺の中に突き刺さる。
「【地球】さんよ・・・おれはここだ。【火星】にいるんだ。その姿を拝ましてくれ。」
そう呟やいても無駄なのは知っている。だけど、やめる事は俺の好奇心がゆるさない。今日も【太陽系 第三級生存惑星−火星−】から空に見入った。