明日から、入院生活が始まる…
治って帰って来る事は、不可能だ…
かと言って、自分の部屋を片付けるわけにもいかないし、妻に不審がられてしまう…
パソコンの電源を入れた…
何を書こう…
子供達に宛てて書く事にしよう…
大事な子供達に
亜樹ちゃんへ
お父さんは、亜樹ちゃんには、お母さん以上に成長して越えて欲しいし、それが出来ると自負していた。小さい時から、亜樹ちゃんが圭くんの面倒や世話していたのをお母さんからよく聞いていた…自分勝手で家庭を顧みず仕事人間なお父さんには、耳が痛い話しだ。二人の子供の世話は母親の仕事と考えていた。今は、お母さんと二人の事を大事にしていればと後悔している。
亜樹ちゃんは嫁に行くので、お母さんを越えて良い母親になって欲しいと考え、亜樹ちゃんの気持ちや考えを理解しなくて、お父さんの考えをいつも一方的に押し付けていた。必要以上に厳しくした事を後悔している。今、色々気苦労していると思うけど、力強く自分の考えを持って欲しい。
圭吾へ
分家のない本家の当主です。財産は無いけど、高橋家を頼みます。お母さんから聞いたが、時間がある時にいつもお墓に行っていると聞いた。何度かお父さんがお墓に行くと様子が違ったので不思議に感じていた。非常に嬉しく思う。さすが我が息子と…父さん亡き後、お母さんと亜樹ちゃんと花南ちゃんを宜しく頼みます。
お父さんは、可愛い梨愛ちゃんと花南ちゃんの成長を見る事が出来ないのが悔しいし残念だ…。二人の孫は最高に自慢が出来る。
これを二人の子供達に見せなくて済む事を思いながら書いている…