「くぅ…ッ
何なんだこの唄はッ!」
カロウドはフラフラしながら苦々しげに顔を歪めた。
「―――わかったよ、シーラ。」
ランスォールは呟き、目の前の剣をとった。
ごめん。
俺、何にも守れなかった。
命も、願いも、何もかもだ…
目を閉じ、心の中でもう一度ごめん、と呟いた。
未だ頭を抱えて苦しむカロウドをしっかりと見据えて剣の切っ先を彼に向ける。
そして
ぶれることなくまっすぐカロウドの心臓を突き刺した。
その瞬間、何かが弾けるような音がして神器を入れる水溜まりが蒼い光の柱をあげた。
「な…なんだ?」
「この光は…まさか、封印の…なのか…?」
背後で掠れた声がして振り向いた。
「でも、ランスさんは、何もしてないはず…ですよ?」
「ラウフ、雪!
大丈夫なのか!?」
ランスォールが言うとラウフは乾いた笑顔を見せ、やがて憂えるような表情をなった。
「アバラは何本かイってるな。」
「私も。
あちこち痛いです。」
雪は控えめな笑顔で困ったように肩を押さえている。
「まあ、今はそれよりもコイツをどうにかしないとな。」
ラウフが三本の光の柱を見上げた。
「これは、本当に封印のものなんでしょうか?」
「さあな。」
「けど、水溜まりの中に神器を入れなきゃダメだろ?」
「問題はそれなんだよなー」
はてどうしたものかとラウフが顎に手を当て考えを巡らすがなかなか納得出来るだけの考えは浮かばなかった。