『‥‥ゲホッ‥ゲホッ‥ゲホッ‥‥。
こ‥こらっっ!!
お前ら、給食時間は静かにしなさい!!
‥‥ウォッホンッッ‥ゲホッ‥ゲホッ‥‥‥。』
さっきまで無表情を装っていた渋川が、
スピーカーの向こうの森宮の父親の異変に気付いたかと思うと、
突然取り乱し、むせ返っていた。
今思えば、
このトキの渋川は、かなりあせっていた様に思う。
なぜなら、
これから自分が出世するに当たって、
教育委員会の教育長である森宮の父親は、
最も利用すべき人物であっただろうから。
《リスナーの皆さんに、写真をお見せするコトが出来ないのが残念です――
どんな写真なのかと言いますと、
1枚目は、先ほどミズホちゃんが言っていた、
お友達のカレシが、他の女の子と一緒にホテルへ入って行く瞬間をとらえた写真――》
ひ、ひゃあっっ☆
《2枚目は――
お友達のカレシのお部屋で撮った写真ですね。
うっわぁぁ〜っっと、私も最初にプリントしたトキ、声を上げそうになったんですが、
とにかくすごいお部屋ですっっ!!
まるでジャンル!!
もみじの様なカタチの葉を付けた植物が、
お部屋全体に、うっそうと生えているってカンジですね!!》