実験小説 第3話

ござる  2009-07-27投稿
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ユウコは中学生時代からの親友だ。
最近は中々会えないから毎日電話で話すのが日課になっている。
大半が私が聞き役でユウコの日記帳がわりになっている気がする…。

私の様子がいつもと違うのに
気が付いたユウコに一目惚れした話をした。

「それって【つり橋効果】じゃない?」
「何それ?」
「つり橋みたいに足場が不安定な場所にいると
心臓かドキドキするでしょ?」
「うんうん」
「そういう状況だと脳が恋のドキドキと
勘違いして目の前の異性を好きになっちゃうのよ!」
「へーユウコ物知りだね!」
「何で他人事!?今のあんた話だよ!!」
「私つり橋なんて渡ってないよー」
「あんたに簡単に言うね。
雨が降りそうで焦ったんだよね?」
「うん」
「それにスクーターのエンジンがかからず焦っていたんだよね」
「…うん」
「そんな状況ならさジャガイモ見ただけで脳ミソが恋と勘違いするって(笑)」
「………」
「初恋じゃあるまいしさ〜」
私の心の衝撃に気が付かず楽しげなユウコに
「ユウコの馬鹿ちん!!失恋の腹いせに意地悪言ってー!!」
「そんなの今は関係ないでしょ!!」
(以下醜い女同士の口喧嘩の為自主規制)

電話の後中々眠れなかった…。
口喧嘩でモヤモヤしたのもあったけど
彼を一瞬で好きになったのが勘違いと思いたくなかった。

数日後TSUTAYAで新作を適当に借りてレジに並んでいると
「この間は濡れましたか?」
って彼から声をかけられた。
「あっおかげさまで大丈夫でした!!ありがとうございました。」
お辞儀して彼の笑顔をみたらまた胸がキューンとした。
これは絶対に勘違いじゃないと思った。

続く

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