「さっき、ボックル会長から教えてもらったから。結婚オーケーの承諾もらったのね?」
「虹の楽園郷行きはダメだったけど、結婚の方はスンナリと承諾してくれたぜ」
「虹の楽園郷は、人形なら誰でも住めるってもんじゃないわ」
「らしいな」
虹の楽園郷に住めなくて、ディックはガッカリしているが…
一緒にいる女人形キャサリンと結婚出来るとあって、半分は嬉しい気分だった。
エルファに悪いが…
キャサリンはルーシーと同じように、人形学校での成績も優秀で、社会への貢献度も高い。
それにキャサリンの方がより魅力的だし、身も心も美しい。
キャサリンといると、気持ちが落ち着くのだから不思議である。
エルファの事を思うだけで、邪悪な思いになるとは大違いだ。
ディックとキャサリンとの出会いは、ディックが電話でエルファにプロポーズした後だった。
何と、スザンヌがキャサリンを紹介したのだ。
不良・前科者と言うイメージがやっと崩れて、立派に成長したディックにエルファへの思いを断ち切らせようと…
キャサリンを紹介したワケだった。