マルシアの葬儀も終わり、ジャックは安堵の思いでいた。
今は人形協会が用意してくれていた専用のアパートに居を構えている。
屋敷や財産一切をマルシアの妹フレデリカ・グローブが引き取っているからだった。
それでジャックは用がなくなり、屋敷を出たってワケだ。
新居にはルーシーや4人の子供たちが同居する事になった。
ヒュヒュ、ジーナ、ミルクの3人だ。
それにあと1人…
人形病院に入院しているキディも加わる。
ジャックやルーシーからの要請を受け…
スザンヌはすぐに、子供たちの人形学校入学手続きを始めた。
ジャックは人形協会の業務部勤務が決まった。
人形たちの生活状況の把握や生活相談、子供人形の新製受注…等々。
人形たちに関する重要な仕事に就く事になったのだ。
男38歳…ジャック・ブラウン。
人生にますます、充実感が増して来た。
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残りの子供たち19人…ララ、カトリーヌ、ローン、ポポ、ニュニュ、ピピ、プリン、ププ、チコ、サリー、ポルン、レモン、ビーズ、エリカ、コゼット、ハイジ、セルラ、リリー、キーラ。
皆、虹の楽園郷に住む事になった。
楽園郷の人形国の女王エリザベスが19人を引き取りたいとボックル会長に要請して来たのだ。
身長180センチの背の大きな美女人形…
それがエリザベスだ。
出発当日…
子供たちは皆、新しい衣装に着替えた。
皆、お揃いの可愛いドレスに可愛い花飾り。
エリザベスママと同じ衣装なのだ。
「可愛イ、子供タチ。
私ガ、新シイママヨ」
「ミャミャーッ!」
新しいママに子供たちの表情は明るい。
優しいエリザベスママに抱かれて皆、大満足。
19人は迎えに来たトナカイロバ車に乗り込んだ。
「子供たちを頼みましたぞ女王」
「オ任セ下サイ」
握手するボックル会長とエリザベス。
子供たちは新しいママと共に去って行った。
さようなら子供たち。
向こうで子供たちを待つのは…
永遠の苦しみらしい。
いや、ウソウソ!
新しい幸せな生活が待っているのだ。
完