天駆ける時間55

ユータ  2006-07-23投稿
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「うわぁっ」「カケル!!」ユータが伸ばした手と、触手が引っ張ったのは同じタイミングだった。
両方から激しく引っ張られてカケルは呻いた。
「くそ…なんなんだあの触手は!」ユータは片手で運転しながらもう一方の片手でカケルを引っ張っているのだから、カケルはゆっくり大地に近づいていく。
「うわぁぁ」「くっそ!!」町の城壁が段々と大きく見えてくる。見れば城壁のに、天使達が集まり、何やら叫んだりしている。
「ちっ…」ユータはカケルを見た。「おいカケル!」「!?」「そんな弱々しい顔すんなよ」ユータはハンドルを握る手を放した。「!!!」素早くホルスターから銃を抜くと、カケルを捕まえていた触手を爆発させて切り離した。
そしてカケルを座席に放り込むと、腰から紙を投げ付けた。
バイクを後ろ向きに跨がるようにカケルは座ったため、何とか紙をキャッチできた。しかしユータの体はバイクの後方…迫りくる大地に近づいていく。
カケルは体を延ばして腕を掴もうとするが、指一本分届かない。
「ばかやろぉ……これから神様に会いに行くやつが泣いてんじゃね〜よ」ニッと歯をだして笑ったユータを大地が飲み込んだ。「ユータァァ!!」



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