【太陽系第三級生存惑星−火星−】
生存惑星増加計画 の中で、主に商業と工務を任せられた、いわゆる[工事の惑星(町)]である。
元々、酸素が無い惑星だったそうで、【酸素永久生産機】とかいう、建物が何個あっても足りなそうな程の大きさの機械で、惑星一個の空気を賄っていて、そのせいなのか錆び付いたイメージがこの惑星には染み付いている。
夜にならなければ止まないトラクターのエンジン音。
いつまでも止まる事がない道路の整備。
ドリルで掘削され、原形を変化させられたクレーター。
どれも慣れてしまった俺にはよく分からないのだが、ココ(火星)で運搬の仕事をしていて、何処かのお偉いさんが『五月蝿い星だな・・。』とよく愚痴を漏らすから、多分その通りなのだろう。
まぁ、そんな星で俺は【毎日勤労】と書かれたヘルメットと作業着を着て、文字通り【毎日勤労】を実行してる最中だった....。
『嘘つけ!現在進行形でサボってるやんか!!このドアホが!!だからお前は【トロイ】言われんねん!!ガイ!!』
事実+どつき+暴言が、いきなり後ろから降り注いだ。てゆうか、同業者の[クリス・マーフェス]だった。
生粋の金髪で長身、178cmの俺を軽く見下ろし、自称の【本来の日本語】にしてはやけに特殊な言葉を使う、少しかわったやつだ。
とりあえず、弁解をする。でもまぁ【言い訳】とか言うんだろうけど。
「違うんだクリス、今やってたのは物質の統計だよ。最近計算が合わなくて困ってるんだ。」
『計算もできんのかいな。ふはっはっはっ!』
予想と反した返答の上、ケラケラとせせら笑うクリス。くっ、イライラする。
『しゃ〜ない、ほれ、貸してみぃそれ。』
そう言って半ば強引に俺から計算機をとり、クリスは統計を計り始めた。
1時間後。
『・・・あれ?くそぉ!できへん!!全く統計が合わへんわ!!』
内心、[ざまぁ(笑)]と思ったが、まぁ必然的に不安にもなった。もしかしたら・・・
『やっぱりコレのせいなんかいの〜...。』
「そうなんですかね〜」
もしかしたら、この余りにも巨大なコイツが・・・
『人類を守る正義のヒトガタ機械か・・・。』
「同時に【不幸】を呼ぶ機体。』
コイツ→【S使用人型超変動重力場・・・
『「WINGMAN」』
そう言って、俺とクリスは天井に繋がれている。巨大な機体を見上げた。