佐藤は勝ちを確信していた。
残り時間はわずか十数秒。
残り1分あたりでかけられた背負い投げには驚いた。
自分が今まで試合でかけられた背負い投げの中でも1、2を争うと言ってもいいほどのものだった。
だが、それでも自分は耐えきれたという自信が佐藤にはあった。
これでお互い優勢勝ちと一本勝ちの1つずつだから代表戦になる。
疲れているが、仮にも大将を張っているんだから、もちろん代表も俺が出る。
今の俺は負けない自信がある。
佐藤はそう心の中で自分に言い聞かせた。
修二の小内刈りがくる。
かわそうとした。
そのときだ。
小内刈りが小外刈りに切り替わり左足を刈られた。
いや、耐えきれる!!
そこから逆足への朽木倒しに切り替わった。
しつこいな。
いくつ技を繋げる気だ?
そしてその朽木倒しも足を持たれているが立ち姿勢のまま耐えることができた。
悪いな。
これで俺の勝ちだ。
佐藤はその連続技に耐えきった瞬間、勝ちを確信した。
スパァン!!!!
えっ?
佐藤の体が一瞬にして浮き上がった。