初めて車で1人で走る道程
何の迷いもなく朋哉のメールどおりに車を動かす
予定通り2時間弱で目的地についた
花が綺麗に咲いている駅の裏に
その目的地はあった
駅に車を止めて
優里亜は大きなため息をついた
「…やっと着いたわ」
御曹司の妻になるプレッシャーから解き放たれる瞬間
そして何より
女に戻れる瞬間に
優里亜はいいようのない興奮を覚えていた
車を降りて駅の裏へ回る
小さなドアのインターホンを
震える手で
そっと押した…