朋哉に手を引かれて部屋のなかに入り
白いソファに腰を下ろす
男の人らしく
殺風景な部屋
唯一窓際に置かれた大きな観葉植物が
部屋に色をそえていた
「礼は大丈夫?」
「うん、知らないから」
「何、飲む?ウーロン茶でいい?」
「うん。ありがとう」
もどかしい会話が行き来する
朋哉が出してくれたウーロン茶を
優里亜は一息で飲み干した
その時
背後から朋哉が優里亜の肩を抱いた
「今日は泊まっていけるのか?」
「…うん」
再び近づいたイヴ・サンローランの匂いに
優里亜の胸は
締め付けられそうなほど
鼓動が強くなる
そして優里亜は
朋哉の腕に
そっと触れた…