「そんなの絶対嫌だよ。俺達は牢屋に入れられるような事全然してないんだからさ」と孝弘に即座に断られた。 「早く逃げるぞ」と孝弘は続けて言うと麻里の腕を掴み、駆け出した。浩もその後に続く。しかし、兵士達は3人を追い掛けなかった。そのことに3人は気付いたが走るのをやめなかった。
「お前らは決して逃げ切れない」 兵士は笑いを止めて呟いた。
「インバル隊長、本当に追い掛けなくて良かったのですか?」 誰もいない筈のインバルの後ろから声がした。
「ああ。あの女を使ってガキ達を捕らえるのさ」 インバルと呼ばれた兵士は後ろから聞こえた声に驚かなかった。