心臓の鼓動が早くなり、手が震えた。
健太に悟られないよう左手を重ねて震えを止めてみる。
二人の姿を直視できなくて…うつむいた。
『大丈夫?顔色めちゃめちゃ悪いわ。どうしたん?』
『うっ、ううん!あはっ全然大丈夫。あははは』
笑おうとしたけど…笑えない。
目の前が真っ暗になって、
今見た事をアタマが理解出来なくて。。。
ココロも理解出来なくて。。。
信号は青に変わり車は動きだした。
うつむいたまま両手をギュッと握る。
マンションの前で車を停めて健太は車を降り助手席のドアを開けてくれた。
『ホンマに大丈夫?俺仕事行くけど、あんまり調子悪かったら病院行くねんで、久美子』
『大丈夫…ありがとうな健太。頑張って!行ってらっしゃい!』
健太の車を見送った。
その場にヘナヘナと座り込んだ。
頭にポツリ雨粒が当たる。
泣きたいけど…涙がでない。。
雨はみるみるザアザア降りになる。
カミサマ。。。アナタハザンコクデス
このまま雨に流されて消えたいと願った。