「忘れてた、行くところあるじゃん」
純はとあるアパートに到着した。
そう、双子の兄たちがいる場所だ。
(明かりがない)
玄関の近くの窓には明かりがない。奥のほうも窓から覗いて見たが、明かりが灯ってる様子もない。
(いないのか?)
純はドアノブを回した。
!
鍵がかかってない…
純はドアを開け、ボロボロのスニーカーを履いたまま中に入って行く。
「仁…?真…?」
恐る恐る声で問い掛ける。
しかし、暗くてよく見えないためどこになにがあるのか分からない。
電気をつけようにも、まだ目が暗闇に慣れていない。
(やべぇ、これじゃあ不法侵入だな…)
その時だった。
「「来たな不法侵入者!!」」
すると、純の体に二つの影がかぶさった。
「!!」
純は身動きがとれない状態で叫んだ。
「離せよ!!」
あっという間に重いものが純の体にのしかかった。そして、辺りがぽぅっと明るくなった。
「「勝手に人の家に入っちゃ行けないよ〜」」
「重い。早くどけろ。アホ」
純はのっかている2人の正体に気がついたのか、安定した声で発する。
「「兄貴にアホはないでしょう〜」」
(相変わらずうざい双子め)
そう思うと、純は仁と真を遠くを見つめるような目で観察するのだった。