男女合わせて10人の大人が円形に並んで座った。
ついに爆弾に火がつけられた。
赤い火はひもを伝って本体の爆弾に近づいていく…。
男は右の女へ爆弾を回した。
続いて女は右の男へ急いでそれを回す。
そして男も額に汗を浮かばせながら、右に座る女に回す。
そうして次々と爆弾は回っていった。
やばい、早く次の人に回さないと爆発してしまう…
自分だけは助かりたい…
そんなことを考えながら大人たちは必死に爆弾を回していく。
他人はどうなってもいい…
自分さえ無事ならば…
火は確実にひもを燃やしていく。
爆発まであとわずか。
左から右へ、その爆発は回される。
大人たちはひたすら、自分のところで爆発しないことを祈りながら回し続けた。
そしてついに…。
女が右の男に渡した瞬間、それは爆発した。
ドッカーン!!!
円形になって座っていた10人の大人は全員爆発に巻き込まれて死んでしまった。
自分のことしか考えない人間は、
結局不幸なことになるのだ。