一人の悪魔が生まれてから数年
悪魔は世界中で噂になっていた
しかし悪魔の存在を信じてる者は少なく鬼や妖怪などと同じ扱いになっていた
そんな中でも悪魔のことを強く信じてる者もいた
崇拝している者達もいた
だが悪魔の姿を知ってる者はいない
だから誰も悪魔を捕まえられない
そんな悪魔は今…
「助けてくれてありがとう」
一人の少女が笑顔で言う
「別に礼を言われることじゃない」
少女の方を見ないで無愛想に少年は言葉を返した
少女は困っていたが笑顔で話題を少年にふった
「でもこんな山奥に家があるなんて思わなかったわ」
少年は何も話さない
「なんでこんな山奥に住んでいるの?」
長い沈黙…それは永遠にも感じた
「ここじゃないとダメなんだ」
沈黙を破ったのは少年だった
「そうなの…」
少女には答えの意味が理解出来なかった
「私はリン、あなたの名前は?」
「名前を教える理由がない」
リンの笑顔はいつの間にか消えていた
「あとでお礼がしたいから教えてください」
「礼など必要ない」
リンの今にも泣きそうだった
しかし少年は未だにリンの顔を見ようとしない
「それじゃダメなの!私が納得できない」
また永遠の沈黙…
リンは今にでも家から飛び出したい気持ちでいっぱいだった
「ソフィア…」
リンの顔に笑顔が戻ってきた
「ソフィアね!覚えておくわ」
「もう俺に関わるな」
また笑顔が消えた
「礼は必要ない!元気が出たなら早く家から出ていけ」
「でっでも」
ソフィアはやっとリンの方を見た
その目には浮かぶのは怒りだとリンは思っていたが目に浮かぶのは悲しみだった