「それはあの少女にとって酷な事では?」
「ああ。そうでなくては困る。あの3人の中で楓の孫の麻里が一番危険だ。だからまず最初に麻里の心を壊さなければならない」 インバルは遠ざかっていく3人の姿を見つめながら後ろの声に答えた。
「そんなにあの少女は危険なのですか?私には普通の少女としか思えません」
「お前がそう思うのも仕方ないだろうな。それに、お前だけではなく他の者達もそう思っている筈だ」
「ではなぜインバル隊長はあの少女が危険だと思うのですか?」
「判らない……たぶん…本能が感じ取ったのだと思う…」 2人はそれ以上何も言わなかった。