「生徒会に入るのって
そんなにムズいか?」
閂が口を開いた。
目がトロンとしている。
僕と同様に眠い様だ。
「お前も
知ってんだろ?
会長の武勇伝」
「アレだろ?
飛び降り自殺を
しようとした男子生徒を
地面ギリギリで
キャッチしたとか…
校庭に溜まっていた
不良30人を説得して
公正させたとか…だろ?」
「そぉ、オマケに…
家は金持ち
容姿端麗
スタイル抜群
頭脳明晰だろ?」
「どっかの
週刊少年ジャンプに
連載してるマンガの
主人公みたいな人
だもんな…」
苦笑する閂。
「笑えないよ」
タメ息をつきながら
僕は言う。
「主人公アイテじゃ
脇役は活躍できねぇな」
「そぉでもないけどね」
「何で?」
「アイテはあくまで
『主人公みたい』な
だけであって
主人公じゃないんだし」
「…成る程。
まぁ何とかなるってか?」
「多分な…」
風が夏を運んできた…
…気がした。
だって、こんなにも
空が青いのだから…