会社からの電話には絶対でなくてはならない
いつものことだ
優里亜は気にしていなかった
優里亜はウーロン茶を一口飲んで
大きなため息をついた
身体にはまだ朋哉の感触が残っている
礼との結婚は
優里亜が望んだものではなかった
全ては朋哉のために
優里亜は自分の身を売ったのだ
「…はい。それではよろしくお願い致します。失礼します。」
朋哉が戻ってきた
どうやら話が終わったようだ
「ごめん。雰囲気壊したね。」
そういって優里亜の隣に座った朋哉は
今の電話で心なしか疲れたように見えた
「ううん。大丈夫だよ。」
「それより、お腹空かない?なんか作ろうか?」
癒してあげたい、と優里亜は思った
「そうだね。ホントは優里亜を食べたいとこだけど…」
「…ばか。リクエスト、ある?」
「うーん。あるものでできるものがいい。」
「オッケー。優里亜ちゃんに任せて。」
優里亜は台所に材料を見に行く
朋哉はその後ろ姿を
いとおしそうに見つめていた