何であなたはそんなにかっこいいの?
顔も、性格も、声も、些細な仕草までも、貴方の行動すべてが私を狂わせる。
もう、誰も私を止めることはできないだろう。
今日もまた朝がきた。
カーテンの隙間から漏れる太陽の光が、私の目を覚まさした。
いつでもどんな時でも、私の頭の中にはあの人がいる。
「・・お兄ちゃん」
声に出して兄を呼んでみる。
返事がするわけがない。
期待はしていなかった。
当然、返事がくる訳がなかった。
パジャマ姿のまま部屋を出る。
隣の兄の部屋の前で立ち止まる。
まだ寝てるのかな・・・
そんな事を考えながらも、階段を降りて1階に行った。
階段を降りると母がいた。
「あら奈緒?今日は早いね。休みなのに」
母はエプロン姿で私にそう言った。
「うん。何か起きちゃってね。・・お兄ちゃんは?」
普通ならこんな質問、何も気にせずできるのだけど、奈緒は少し躊躇ってしまう。
「人尋ならもう出かけたよ。」
母の返事にがっかりしたけれど、「そっか」と素っ気無く返事をしてリビングに行った。
リビングには誰もいなかった。
クーラーが効いていて、涼しかった。