突然声が聞きたくなる
忙しい日常にまぎれて
忘れたふりをしている
おまえの存在
俺がよそ見をしている間に
俺の友達に取られたおまえ
雪の降る日に
(あなたを忘れられないの)と
そっと俺のダウンジャケットに触れたおまえ
街中で偶然見かければ
細くて華奢な肩を
そっと抱き締めたくなる
一人きりの淋しい夜は
おまえの淫らな声を思い出す
どうしようもなくなって
用事もないのに
用事があるふりをして
電話をかける
あの頃と変わらない声で
(元気?ちゃんとご飯食べてる?)
と言うおまえ
幸せか?と聞くと
しばらく間があって
(うん。)
と答える
辛いのか?と聞いても
(大丈夫。うまくやってるよ。)
そうとしか言わない
待っててくれ
いつか俺が迎えに行く
2人で幸せになろう
また声が聞きたくなったら電話しよう
理由のない用事を探して