「そろそろ行くか」
閂はそう言いながら体を起こした。
「そぉだな」
僕もくわえていたタバコを消し、立ち上がる。
「ガムある?」
「ほら」
「さんきゅー」
「いつもどぉり
別々に降りるぞ」
「りょぉかぁい」
あくびをしながら返事。
「お前
しゃべり方変えろよ?」
閂が言う。
「分かってるって」
「じゃあ、また明日」
閂はそう言うと、手を振りながら、階段を降りていった。
「おう」
返事をしながら、僕はどぉでもいいコトを考える。
この場所って
何て名前なんだろ?
突然吹いてきた強風に、思わず目を細める。
見上げると、いつの間にか空は雲に覆われていた。
楽しくなってきた。