キッチンはきれいに片付いていた
使っていないというほうが正しいかもしれない
会社から電話が来て
優里亜は正直安堵していた
朋哉に触れられ
愛されることは
この上ない喜びを感じる
どんな男性とも味わったことのない
今まで生きてきて初めて味わう感覚…
身体も心も1つになる
その瞬間は優里亜にとってなにものにも変えがたい
しかしそれと同時に
礼に対する罪悪感
何よりこのまま朋哉に埋もれていってしまうのではないかという恐怖心が
優里亜を襲い始めていた
優里亜はそんなことを思いながら
冷蔵庫を覗き
リビングへ戻る
朋哉はタバコをふかしていた
「パスタでもいい?」
「やった!優里亜のパスタ、好きなんだ。」
「待ってて。すぐ作るから」
そういって
優里亜はキッチンに戻った