4の呼吸 4-6

SABLA  2009-08-03投稿
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「本当に明るい子だったんですよ・・・」
 
 
彼女の様子に阿部はいたたまれない気持ちになった。しかし木戸はそうもいかないようだ。
 
 
「すいませんねぇ、先生。こちらとしても出来るだけ子供達に配慮しながら捜査してますが、なんにせよ殺人ですからねぇ。明日にはニュースや噂やらで子供達の耳に届くのは確実です。」
 
それを聞いて彼女はそうですね、とだけ答えた。明日からのドタバタを想像したのだろうか、声に力がなかった。
 
「そこで、今から生徒の一部に聞き込みに回ってよろしいですかな。」
 
えぇっ、と彼女は少し慌てふためいた。

 
「どうせ、明日には。でしょう?」 
 
そういわれて、佐藤は返す言葉がなかった。彼女は少し考え、唸った後、決心をしたように言った。 
 
「教頭には、内緒にしてくださいね。あとメディアにも。」
 
 
木戸はありがとう、と言うと速やかに職員室を後にした。
 
 
「ちょっと。木戸さん、本気ですか?」
 
阿部は木戸の肩を掴んでそう言った。彼の目からは不安の色が感じられた。それを見て木戸は微笑みながら言った。
 
 
「何か不安か?大丈夫、俺は正気の口だよ。」

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