ポジティブ・アクション12

ミッシェル  2009-08-03投稿
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「止めて‥暴力はもう止めて!」

メアリーは必死に叫び、ゲイリーと顔を合わせながら後退りする。

「愛している女に裏切られるのがこんなに辛いとはな‥」

ゲイリーはメアリーを見つめながら、おもむろにテーブルの上に転がっている果物ナイフに手を伸ばす‥。

「は、はぁ‥」

それを見た時、彼女は足の震えが止まらなくなった。

メアリーは殺されまいと必死に震える足を動かす‥。

そして、彼女は勢い良く後ろへ振り返り、走った…!。

「待て!!」

メアリーは足を止める事なく、何度も後ろへ振り返りながら、玄関に向かって走る。

「ふぅ‥お前ら!! メアリーを捕まえろ!」

ゲイリーはそばにいる部下に物凄い剣幕で命令した。



「ハァ、ハァ」

メアリーは玄関の扉を開け放ち、物凄い速さで庭を走りつづけた。

その後ろから、三人のゲイリーの部下達が必死で追跡する。

「ちぃ、逃げ足の速い女だ!」

「ハァ、ハァ」

そしてついに入り口の門が見えた。

「ハァ、ハァ、やったぁ」

彼女はスピードを緩める事なく、門へと直行する。

そして都合の良い事に、その門は開いたままだった。

どうやら彼女が帰って来た時に、その門を開けっ放しにしていたのが幸いしたようだ。

彼女はそのまま門を通過し、車道へ飛び出した。

…しかし、それと同様に部下達も門を通過し、執拗にメアリーを追跡する‥。

彼女は悪魔の追跡から逃れようと、必死に走りつづけた。


「くそっ! 何て速さだ! こうなったら」

男はそう言うと立ち止まり、歩道に転がる適当な石を拾い上げた。

「ふふっ、俺に任せろ!」

そう言いながら腕を構え、メアリーに狙いを定める。

そして、男は思いっきりその石をメアリーに向かって投げた。

石は風を斬って、真っ直ぐにメアリーに向かって飛んでいく‥。

「キャアッ!!」

石はメアリーの首筋に命中し、彼女はその衝撃で道路に勢い良く倒れた。

「ふぅ‥面倒かけやがって。さぁ戻るぞ」

「銃弾じゃないだけマシだと思え」

男達は各々道路に伏せているメアリーに投げかけ、取り押さえる。

…しかしその時

「何だ!!」

突如と発生した車のライトが男達の目に直撃した…。

続く

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