ポジティブ・アクション14

ミッシェル  2009-08-04投稿
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「ありがとう。助かったわ」

メアリーは、隣りで運転する彼に微笑んだ。

「いいさ。君みたいな美女を助けられるなんて光栄だよ。俺はアレックス・シェパード。君は?」

「メアリー・スミスよ」

アレックスは微笑みながら、しばしメアリーの美貌に見とれる。

「うふっ。前向いてないと危ないわよ」

「おっと、こいつはいけねェ。君があまりにも美しいもんだからさァ。まあ、とにかく良かったぜ。怪我はないか?」

すると、メアリーは首筋を抑えながら

「首筋が痛いわぁ。石をぶつけられたの。最悪だわ」

彼女の首筋は赤く染まっているが、血は出てないようだ。

「痛そうだねェ。俺の家に来たら、手当てしてやっても良いぜ」

「うふっ。残念だけど、私行きたい場所があるの」

彼女はそう言って、ジーンズのポケットに手を入れ、綺麗に折り畳まれた紙を取り出した。

「ここまで送ってくれないかしら」

手渡された紙をじっと見つめるアレックス。

やがてその顔は、驚愕の色に染まった。
「ここってスティーブの住所じゃねェか‥」

「えっ!? スティーブを知っているの!?」
「知っているも何も、奴とは幼なじみだぜ」

それを聞いてメアリーは目を丸くさせた。

「ホント!? 凄いわぁ」

「何が凄いんだ? ふっまあいい。
すると、スティーブの言っていた常連のべっぴんさんつうのが君な訳か」

アレックスは納得のいった表情でメアリーを見つめた。

「スティーブに何の用があるんだ?」

「彼に謝る事があるの‥」

「ほぉ。まっ、あえて聞かねぇ事にするよ」



10分後。

アレックスの運転する車は、歓楽街の中にある五階建てのマンションの前で止まった。

「じゃあな。また会おうぜ!」

「ええ。ありがとねアレックス」

車から下り、彼女は目の前にそびえ立つマンションを見つめた。

(305号室‥305号室)

メアリーは心の中でそう繰り返しながら、エレベーターで三階へと登っていく。

続く

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