ポジティブ・アクション15

ミッシェル  2009-08-04投稿
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「ここね」

メアリーは扉の前で呟いた。

間違いなくその扉の向こうにはスティーブがいる。

メアリーは胸を弾ませながら、扉の横のインターホンを押した。

…しかし反応がない。

何回も押すが、結果は同じであった。

「嘘‥いないの?」

彼女はそう呟くと、すかさずドアノブに手を伸ばし、ゆっくりと回し始めた。

「開いてる‥」

何と鍵は開いていた。

メアリーは不用心だなぁと思いながらもゆっくりと扉を開け、中へと入っていった。

「お邪魔しまーす」

中は真っ暗であった。

途中何度もつまずきそうになったが、何とかリビングに辿り着く事が出来た。

「明かりをつけなきゃ。どこかしら」

真っ暗な中、メアリーは辺りを見回した。

…すると

「あれかしら」

彼女の目に、青白く光る物が飛び込んできた。

すかさずそれに向かって歩き、その物体に手で触れてみる。

…スイッチだ。

メアリーは早速そのスイッチを押してみた。

その瞬間、眩い光がリビング全体に展開し、部屋を一瞬にして明るくさせた。

…その時

「キャャーッ!!」

メアリーが突如と叫び声をあげ、床に倒れた。

「うーん…何だぁ?」

メアリーの叫びを聞いて、目を覚ましたスティーブ‥。

彼はリビングのソファから起き上がり、床に転がるメアリーに顔を向けた。

「…メアリーか? どうしたんだぁ?」

彼女は声を震わせて答える。

「ら、らら、ライオンが…」

何と百獣の王、ライオンが牙を剥き出しにしてメアリーを睨んでいたのだ。

彼女はそれを見て声だけじゃなく体も震わせている‥。

「ライオン? バーカこいつは剥製だよ。可愛いもんだろ?」

スティーブは部屋の隅に飾られているライオンの剥製を見つめ、その頭を撫で始めた。

「可愛くなんか無いわよ! もう! ビックリしたわ!」

思いっきり顔をしかめるメアリー。

「他にも、鷲や鷹もいるぜ」

「えっ? どこどこ?」

「ほぉ食いつくねェ」

スティーブは天井を指差した。

それにつられ、天井を見てみると。

「わぁ凄い」

何と天井には、鷲と鷹がそれぞれワイヤーで吊されていた。

続く


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