壮大はカメラを片手に、トンネルの前に立っていた。
「これでお前が見た幽霊を撮るぜ」
「本気か?壮大?」
「当たり前だ。」
太一はため息をついて、
壮大を見つめた。
「なら、お前一人で行けよ。俺はごめんだね」
太一は懐中電灯を差し出した。
壮大は何も言わず受け取った。
「なあ、壮大・・・」
「・・・?」
「き・・気をつけてな」
壮大はすこし微笑んだ。
「ああ、心配すんな」
壮大はトンネルの中へ入って行った。
トンネルの中は前とは違っていた。
「湿度が高い・・」
気が付くとあたりは霧に包まれていた。
そのとき、大きな声がした。
「選ばれしものよ!!」
声はトンネルを響きわたり、エコーがかかっているようだ。
「きたな」
足音が聞こえてくる・・
「お前は何者だ!」
闇にむかって叫んだ。
またエコー。
ライトが突然きえた。
「どうなって・・」
言いかけたとき、目の前にまばゆい光があらわれた。
「出やがったな」
光に目が慣れていないのでうまく開けられない。
光はさらにつよいひかりをはなち、
あたりは光に包まれた。
続く