退院をして、僕は前の会社を辞め、実家へと帰ってきた。
前の会社と言っても、何やってたんだかわかんないけど…。
新しい仕事は、楽しい…。とゆいのは嘘で、ホントはイヤな所…。
ストレスも溜まる…。
周りもろくなヤツではない…。
だんだん行くのがイヤになる。
癇癪を起こす僕に、頭を抱える母。
以前の僕もこうだったんだろうか…。
たまに頭が痛くなる。
いろいろ考えてしまうから…。
部屋にいると壁ばかり見るようになった。
精神病院へ行く。
病状は母が知ってる。
僕自身わかっている。
それは心の病気…。
最近思い出した事がある。
僕は『あかね』ではなく、『春香』とゆう女性と付き合っていた事。
二股掛けていた事。
『あかね』を傷つけた事。
あかねは笑顔で僕と別れた事。
僕は、情けない男だった事…。
後悔する事は、前からの僕の性格だ…。
あかね…。
あかねに逢いたい…。
精神科に行ってから、僕は家に引きこもるようになった。
あかねを探しに行きたい。
住所は手帳に書いてある。
行けるはずだ。
でも一歩が踏み出せない…。
怖い。
なにもかもが怖い。
死にたい…。
そうだ…
こんな人生なら、死んだ方がましだ。
事故に遭った時、僕は何故死ななかったんだろうか…。
もう疲れた…。
あかね…、ごめんな。
こんな台詞、前にも言った気がする…。
いや…、あかねには言ってない気がする…。
逢って、僕の気持ちを言わなきゃいけない…。
死ぬ前に…もう一度…。
「達也…。ご飯食べなきゃ…。」
ノックをして部屋に入る母親…。
朝食をテーブルの上に置き、立ち去ろうとする。
「母さん…。」
僕は久々に口を開いた。
母は、驚いた顔をして僕を見る。
「逢いたいと強く願ったら、その人に逢えるだろうか…。」
「達也…。」
「あかねは今、僕に逢いたいと思っているだろうか…。」
窓を眺めながら、僕はボソッと呟く。
母は何も言わず、部屋から出る。
奇跡が起きるなら、僕は明日にでも、あかねを探しに行こう…。
逢わなきゃいけない…。