ポジティブ・アクション18

ミッシェル  2009-08-06投稿
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「いいか!! 絶対に見つけるんだ!」

ゲイリーのけたたましい声が、召集された幹部達の耳を貫いた。

沈黙を貫く幹部達にゲイリーは続ける。

「お前ら! 街に散らばっている仲間達全員に伝えろ。メアリーを‥メアリー・スミスを見つけ次第、必ず捕まえろとな。そして一緒にいる男もだ。分かったか!」

ゲイリーの迫力に押され、沈黙していた幹部達はようやく口を開いた。

「了解」

他の者達も、口を揃えて言った。

「明日の朝、お前ら幹部はこの街を包囲しろ。突破口を無くすんだ。分かったな?」

「分かりました」

他の者達も同様に、頷く。

「ふぅ‥何ムキになってんだぁ? ボスの野郎は。たかが女に逃げられたぐらいで」

帰り際、幹部の男が仲間に言った。

「ボスにとっちゃあ、そんぐらいの価値のある女だったんじゃねェのかい?」

「確かに、良い女だぜ。そんじょそこらのハリウッド女優よりよっぽど美人だしなぁ」

「ははっ。言えてるぜ」





幹部達が帰った後、ゲイリーは寝室のベッドへ横たわり、眠りに落ちようとしていた。

そこへ、突如と電話が鳴り響く。

リビングからだった。

「うるせェな‥」

ベッドから起き上がり、リビングのテーブルの上で鳴り響く携帯電話を取る。

「なぁんだ?」

大きくあくびをしながら電話に向かって言った。

『ゲイリー、居所を知っている』

電話は、ゲイリーの右腕とも言える最高の部下ウォーレン・ギブソンからだった。

ウォーレンは、ゲイリーに匹敵する程の極悪非道な性格の持ち主である。

「メアリーのか?」

『ああ』

ゲイリーはニヤリと笑う。

「どこにいる」

『イーストンヒルズのマンションだ。
あの女が、そこへ入っていくのを見た。間違いない、あれはメアリーだぜ』

「何階だ?」

『三階だ。何号室かまでは、流石に知らないがな』

ゲイリーは笑みを浮かべながら、ソファに腰を降ろした。

「流石、俺が見込んだ男だぜ」

『どうする?』

「今は何もしなくて良い…明日の朝、部下達をそのマンションに向かわせる。
ウォーレン、お前も行くんだ」

『了解。それでは』

ウォーレンはそう言って、電話を切った。


続く



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