君の影?

 2006-07-25投稿
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『大人なんてだいきらい』

心で叫びながら逃げたあたしはまだ16歳だった。

走って走って、
逃げ出した。
追ってくるのは過去の影。

戻りたくない
絶対絶対
戻りたくなんかない!!

目に涙を溜めて
行き着いたのは
君と出会った優しい場所。

小さな町の中学校。

君が笑ってくれたあの教室。
そこに行った。


ぺたんと座り込み
声を上げて泣いた。


大人を許さない。

俯せて泣いている。
その間、頭に浮かんだのは
幸せな日々。
君の声。


「僕は大丈夫だよ。」

……やめて……

「…よりも………なにより、凜がいなくなっちゃうほうがよっぽど辛いよ。」

……思い出さないで……

「危ないからこっちおいで。」

「…なんでそんな…?」

「ごめん…約束……守れない…ね。」



プツン………
あたしの意識が途絶えた。



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