・放課後、永井先生が黒板をバックに二人を写した。廊下では原田達を始め、大半のクラスメイトがそれを見てはやし立てていた。
・僕は一人でジャングルジムにいた。掃除の時間が終わってから気持ちはふさいだままだった。ジャングルジムから降りて鉄棒の方へ移動しようとした時、美香が駆けよってきた。
「どうした?」
僕が問うと美香は、
「はい!バレンタインのチョコ」
そう言ってチョコを手渡してきた。
「俺に!?」
「そう。誰からももらえなくて黄昏てそうだったから」
事実、誰からももらってなかった。
「ありがとう」
恥ずかしさからか美香の顔を見ずにチョコを受け取った。
「じゃ、また明日。バイバイ」
笑顔でそう言うと僕に背を向けて待たしてた友達のもとへと駆けよって行った。チョコには手紙が貼りつけてあった。
“Dear 貴士君へ
班長のお仕事、ご苦労様!
もう少しで卒業だね。寂し
くなるな。貴士君も思い残
す事がないように卒業しな
きゃダメだよ!後、少しだ
けど仲良くしようね!!
by 美香”
手紙を読んだ後、僕は美香を追いかけ駆け出した。