翌朝。
午前7時。
「ルブランスだ! メアリーどこだ!」
ルブランスのメンバー4人が、片っ端からマンションの三階の部屋を確認していく。
…メアリーを見つけ出す為だ。
「うぅ‥騒がしいな」
ソファの上で眠っていたスティーブは、外から聞こえてくる騒音と共に目を覚ました。
…まさか。
スティーブはソファからすぐに起き上がり、玄関に向かう。
‥その手には拳銃が握られていた。
扉の前に立ち、ゆっくりと扉を開くと、その僅かな隙間から外の様子を確認する。
…やはり。
ルブランスのメンバー4人の姿が彼の目に映った。
奴らが後二部屋も回れば、順番的に間違いなく自分の部屋に来る‥。
彼は寝室へ走った。
「おいメアリー! 起きろ!」
毛布をはがし、彼女の頬を軽く叩く。
「うーん…なぁにぃ…?」
声は出したが、その目はまだ閉じたままである。
見かねたスティーブは、両手でメアリーの頬を左右から引っ張った。
すると彼女はすぐにその蒼い瞳を開け、スティーブを見つめる。
「うん‥? どうしたの?」
陽気にスティーブは言った。
「ギャングの連中が来たぜ。ルブランスだ」
メアリーは目を丸くさせ、ベッドから起き上がった。
「う、嘘でしょ! は、はぁ…殺されるわ‥」
「馬鹿やろう。死ぬかって。そこでじっとしてろ。俺に任せるんだ!」
不安な表情を浮かべるメアリーにスティーブは続ける。
「安心しろ。すぐ終わる」
スティーブは微笑み、拳銃を片手に寝室から飛び出した。
「ここが最後だな。間違いなくここにいる」
男はそう言って、ドアノブを回す。
…しかし。
「へへっ。開いてねェな。ビンゴだぜ」
「食らえ!!」
男の一人が、拳銃で扉に向かって何発も銃弾を撃ち込む。
「よし、行くぞ」
ボロボロの扉を開け、男達は室内へと歩を進める。
…その時。
「ぐはぁっ…!!」
一発の銃声と共に、先頭を歩いていた男がその場に崩れた…。
倒れた男の首からは、赤黒い血がドクドクと流れ出ている‥。
「な、何…!?」
続く