スティーブはリビングから、ソファの陰に隠れながら男達を狙い撃ちしていた。
玄関からリビングまでは、5メートル程の廊下が続いている。
故に、リビングの中央のソファにかくれるスティーブから、男達の姿は丸見えであったのだ。
「くそ野郎!!」
…しかし、その男もまた。
「ぐはぁっ!!」
首に銃弾が直撃し、即死する‥。
「野郎‥くっ…!?」
間髪を入れずに、スティーブは拳銃で男達を仕留める。
…一瞬にして4人の死体が廊下に転がった。
「たくっ、骨のねェ連中だ」
スティーブはそう呟き、廊下に向かう。
そして男達の死体を見つめながら
「インターホンぐらい押せよ‥馬鹿が」
そう言って、その場から立ち去ろうとするが、思いがけない事が起こった。
「まだ終わってねェ!!」
何と、倒れていた4人の内の一人が立ち上がったのだ。
ようく見れば、男の胸の辺りが盛り上がっている。
…防弾チョッキだ。
「何!?」
思わず仰け反るスティーブ。
「くらえ!」
男の拳が、スティーブの顔面を狙った。
だがスティーブはうろたえる事なく冷静に
「舐めんなよっ」
彼がそう言った時には男の拳は空を切り、次の瞬間にはスティーブのハイキックが男のこめかみを直撃していた。
「…!?」
男は白目を向き、失神する。
…だがもう一人、立ち上がる者がいた。
そいつは床に転がる銃を拾うこともなく、スティーブに突っ込んで来る。
「馬鹿な野郎だ」
スティーブは呟き、男を見据える。
男はスティーブの前に来た時、拳を振り上げて彼の顔面を狙った。
「くたばれ!」
だがそれをスティーブは左腕でガードし、男の喉に手刀を食らわす。
「がっ!! かはっ…」
男は喉を抑え、その場に崩れた。
今、スティーブの前には白目を向いて失神している男と、息が出来なくのたうち回っている男がいる‥。
「す、凄い…」
メアリーは、寝室の扉の隙間から全ての光景を見ていた。
彼女は思わず寝室から飛び出し、スティーブに駆け寄った。
続く