「もうこんな時間か。俺今から用事あるからすまんが今日はお開きだ。」
「そう、分かったわ。じゃあ帰りますか。」
義春の言葉など聞こえなかったかのように、話が進行していく。
「はぁ、まぁいいか。それじゃまた明日。」
「ああ、って明日も来るつもりか。」
当たり前と言うように義春はうなずいた。
帰り道−
「いいよな〜あいつ。」
義春はあの場で思っていたことをポツリと言った。
「気にすることないって。すぐに私たちも使えるわ。」
珍しく小夜は義春をなぐさめた。
「珍しくってなによ。語りだけして偉そうに。」
!!・・気にしないでおこう。
「どうした?」
「なんでもない。こっちの話。」
「そ。はぁでもいいな〜。かっこいいんだろうな〜。」
すっかり朝紀の能力に見せられている義春。
「バカね〜。そんなん言たって手に入る分けないじゃない。」
「分かってるよ、そんな事。でも先越されて悔しくないのか?」
「私は朝紀に勝負もライバル意識もないからね。」
−5分後、二人は角で別れていった。
義春は能力がどうしたら身につくのか考えながら家に着いた。
一方、小夜は義春から言われた悔しさというものをひしひしと感じていた。