私は今の説明の意味がよくわからなかったが、タイムカプセルには少し興味があった。なぜなら今まで一度もタイムカプセルを埋めたことがないからだ。
『わかった!いいよ。どこに埋めるの?』私は俊介に訊ねた。
『そうだな〜。桜の木の下でいいだろ。学校近くの公園の』
『勝手に埋めていいの?』
『大丈夫だろ。あそこ人の気配あまりないし』俊介は笑顔で言った。
『何埋めようか?やっぱり未来の自分への手紙は欠かせないよね』
『当たり前だろ〜。あと、自分の宝物とか思いでの物でいいだろ』
『何かおもしろそうだね!千秋には言ったの?』
『タイムカプセルは俺と楓だけで埋めないか?』
『どうして?』
『楓と二人で埋めたいんだよ』
二人だけの秘密か…。少し嬉しい気がした。
『わかった。てか、いつ掘り起こすの?』
『三年後の明日の日は?』
二十歳か…。掘り起こすの早い気がする。
『早くないかな?』
『いいじゃん、二十歳。高校卒業して長くも短くもないし』
思えばそうだ。タイムカプセルは再び俊介と会うことができるきっかけだ。まあ、タイムカプセルが無くても会うつもりだけど。
『わかった!』私は元気よく言った。