携帯電話の呼び出し音が、暗闇に響いていた
俺は、自分の行動に驚き、思わず電源を切った
誰に電話するつもりだったのか
何を話すつもりだったのか
自宅に着き、自分で鍵をあけ、真っ暗な部屋の中、手探りで照明のスイッチを探した
ただいま・・・
ひとりで呟いてみた
仕事帰りに寄ったコンビニで買ったお弁当
先に、お風呂に入らないとあいつに怒られるからな
立ち上がった瞬間、俺は苦笑した
誰に怒られるんだ・・・
いつも新しいタオルや下着が置かれていた棚は、今にも崩れ落ちそうな程、洗濯物が無造作に積まれている
今日も疲れたよ
無意識に口にしていた
習慣とは、恐いものだとテレビをつけた
今日はどんな事があったの
と、優しく微笑むお前がいなくなってから、随分と経ったような気がする
お前も疲れていたんだよな
気付いてやれなくてごめん
何もかもを任せっきりにして、当たり前だと甘えてた
お前の事を弱い人間だと言ってしまった事、本気で後悔してる
俺の方が、よっぽど弱くて小さかったのに
今更、後悔してもどうしようもないけど