ポジティブ・アクション22

ミッシェル  2009-08-07投稿
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スティーブは拳銃を構えながら、玄関へと歩いていく。

その後ろから、メアリーも続いた。

――その時。

「ふふっ、随分遅いと思ったら、やはりこの様か‥使えねェ野郎共だ」

一人の長身の男が、廊下から2人の前へと姿を現した。

その手にはやはり拳銃が握られており、銃口を2人に向けている。

「あなたは‥ウォーレン!」

メアリーが、スティーブの背後から言った。

「ウォーレン? ああ、知ってるぜ。
ルブランスのNo.2か。全く、厄介な野郎が出てきたもんだ」

2人はウォーレンを見据える。

「俺もお前を知ってるぜ」

スティーブは鼻で笑うと。

「ほぉ、俺も少しは有名になったか」

笑うスティーブに、ウォーレンは続けた。

「伝説のバウンティハンター、“デイビット・ロジャース”の息子だろ?」

それを聞いたスティーブから、笑顔が消える。

「そうだ。だからどうしたんだ?」

「そんな偉大な父の息子が、ボスの女を寝取るとは…親父が知ったら泣くぜ」

スティーブは溜め息をつき、鋭い眼光をウォーレンに飛ばす。

「寝取っただと? ざけんな!
お前…知らねぇだろ。メアリーがどんなに辛い思いをしていたか」

「へっ。知らねェな。それよりメアリー、今ならまだ間に合うぜ。早くゲイリーの所へ戻れ!」

しかし、メアリーは顔をしかめながら

「いやよ! ゲイリーとはもう終わったの! 私は彼と居るわ!」

そう言って、スティーブの腕を握った。
「くぅ…お前、ゲイリーの恩を忘れたのか‥。馬鹿な女だぜ。ゲイリーと暮らしてた方がこの先ずっと幸せで、裕福に暮らしていけるのに、そんな何の力も無い男と居たって先が見えてるぜ」

それを聞き、メアリーの怒りは頂点に達する。

「ふざけないでよ! 私は裕福だとかそんなのどうでもいいの! 私は、私は自由が欲しいのよ!あんな残酷で‥凶悪な男と一緒にいるなんてもう嫌なの」

ウォーレンはあきれかえりながら

「ふぅ‥もう無駄だな。お前らは完全にゲイリーを敵に回した」

ウォーレンはそう言って、引き金に指をかけた。

――その時。

一人の若い男が、ウォーレンの背後から現れた。


続く



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