キャッチボール 第30話

るー6  2009-08-07投稿
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僕は息を呑んだ。
「その龍吾って奴がな、西中の2年に暴力をふるったらしいんだ。」
「暴力?」
考えられない。でも龍吾が暴力なんて、きっと何かしらの理由があったに違いない。
「あぁ。石下のゲームセンターでその事件は起きた。で、今日石田中の先生が彼にひどく怒ったらしいんだ。すると彼の口から意外な言葉が発せられた。」
「まさか僕と…。」
「そうだ。君と話がしたいそうだ。午後4時に。」
先生たちは必死だった。
岬がボコボコにされるんじゃないか心配だったんだろう。
でも僕は龍吾がなぜ暴力をふるったか聞ける…。龍吾とは正反対の気持ちだった。
「くれぐれも…無茶したり、怒らせんじゃねぇぞ。」校長も、
「気を付けて。」
戦いに行くんじゃないんだから…そう思うと肩の力が抜けた。
「はい。」

午後4時。西中に入ってきた1人の他校生。
「すいません。お願いした…飯岡龍吾ですが。」
「あ…2年1組で相手は待ってるぞ。」
「ありがとうございます。」
歩きだそうとした。
しかし…
「2の1ってどこっすか?」
対応をしていた先生はコケそうになっていた。
「2階だよ。」
「はい。あざーす!」
職員室はひそひそ話が絶えなかった。
「あの子が飯岡くんね。真面目そうで…とても暴力をふるう子には見えないですけどね。」
「あの子ね…野球部のエースピッチャーなのよ。西中の野球部に恐れられてるって。」
「ふーん。そうですか。エースピッチャーが暴力か」嘲笑う先生もいた。

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