ポジティブ・アクション24

ミッシェル  2009-08-07投稿
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「何だ?」

スティーブが音のする方に顔を向けて見ると、それはウォーレンのズボンのポケットからだった。

スティーブはしゃがみ、何となくウォーレンのズボンのポケットに手を伸ばすと、携帯を取り出して開いてみた。

――ディスプレーにはゲイリーと表示されている。

「こいつは面白い」

スティーブは呟き、迷わず電話に出た。

『用は住んだか?』

ゲイリーが単刀直入に聞いてきた。

「ふふっ。よぉボス」

突如と聞こえた謎の声に、ゲイリーは驚愕した。

『誰だ貴様‥』

「スティーブン・ロジャースだ。お前の事は知ってるぜ。ゲイリー・ブリュースター、小さなお山の大将さんよぉ」

『はははっ。お前だな? メアリーの不倫相手は。このクズが…!!』

その時、ゲイリーは携帯が潰れるんじゃないかって言うくらい力強く携帯を握り締めた。

「お怒りのようだな。携帯が泣いているぜ」

『‥スティーブ、メアリーとは寝たのか?』

「いいや。寝てはいないが、キスはしたぜ。ああ、最高だったなぁ」

スティーブはそう言って、メアリーに微笑んだ。

メアリーもそれを見て、彼に微笑み返す。

『舐めやがって‥。お前らは、お前らは必ず殺す! 必ずな! 覚悟しておけ! メアリーにもそう伝えろ』

ゲイリーは電話を切った。

「ゲイリーか? 何だって?」

尋ねるアレックスに、スティーブは言う。

「俺達2人を、必ず殺すだってよ。はははっ」

スティーブは高らかに笑った。

「よく笑っていられるわね」

そう言って、スティーブを見つめた。

「ふっ、相変わらずだぜ。昔からこいつは、緊張感ってもんを知らねぇんだ。常に楽観的なんだよ」

アレックスは拳銃を仕舞いながら、メアリーに言った。

「なるほどね」

すると、スティーブは突然部屋の隅に行き、ライオンの剥製の前に立った。

「じゃあな。また会おうぜ」

そう言って、剥製のライオンの頭を撫でると、メアリー達に駆け寄った。

「よし、行くか」

そうして三人は、部屋を出て行ったのだった。


続く



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