「よっ。」
あまりにも軽いノリだったので、僕は
「よっ!じゃないよ!龍吾のせいでこっちも巻き込まれることになったんだぞ!」
龍吾にはたとえ僕を守るために暴力をふるったとしても、しっかり反省して欲しかった。
「ごめん。」
「はぁ…。なんで、こんな事件やらかしたの?」
龍吾は黙る。
「教えて。」
すると龍吾は重い口を開く。
「あのな…みーくんオレはな…。」
「僕は分かってる。龍吾は…むやみに暴力をふるわないって…分かってる。何かしらの理由…あると思う。」
優しい問い掛けに、龍吾は僕を見て強く言った。
「オレは…みーくんを…守るために…」
僕は相槌をうって話を聞く。
「オレ…ゲーセンに行って、みーくんとたぶん同じ学年の奴らを見かけた。そして、そいつらはみーくんのことを…」
「どう…言ってたの?」
「調子コイてるとか、最近ウザイとか、色々と…だからオレはそいつらを殴った。」
「そうだったんだ…やっぱり龍吾っぽいや!」
「何だよその言い方〜。みーくんはそうやってすぐ笑う〜。」
静かな教室に2人の話し声が響いた。
「じゃあ今度…病院に来い。姉ちゃんもきっと喜ぶよ。」
「うん…分かった。」
その隣の教室…2年2組には、いるはずのない人が…
「あいつだよ。」
「みーくんと暴力少年かよ。なんであぁやって話してんだ?」
「とりあえず明日、みーくんに言っとく。」
「あいつ…ぜってーボコボコにしてやる。」
友達をかばうためにやった…
それだけなのに…
ただそれだけなのだとしたら龍吾は悪くない。
でも
着々と近づいてくる
何かがあった。